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イアン・ケイ (イギリス)
【1967 ~ 】



ケイは常習的な犯罪者で、若い頃から窃盗や強盗を繰り返していた。


1994年11月15日、ケイは『ウールワース』の店員ジョン・ペンフォールド (21歳) を刺し殺す。


逮捕されたケイは、1995年に懲役22年が言い渡された。


ケイは刑務所に入ってから、精神病の兆候を示すようになる。

その為、ケイは最大で最も安全と言われるブロードムーア精神病院へ移送される。


このブロードムーア精神病院は、数々の殺人鬼がすでに入院していた。

中でも屈指の知名度を誇る、以前掲載した『ヨークシャーの切り裂き魔』こと、ピーター・サトクリフもその1人であった。

サトクリフは、1981年にこの病院に入ってからずっと過ごしていた。


ケイはそんな時、ある言葉を聞く。

それは

『サトクリフを殺せ』

という悪魔の声であった。


1997年3月10日、ついにケイはサトクリフ殺害を実行に移す。

ケイはパーカーローラーボール (万年筆のような物) を隠し持ち、サトクリフに襲い掛かった。


ケイはサトクリフの両目を狙った。

右目と左目に計6回突き刺したが、サトクリフは目が見えない中、なんとかケイのパーカーローラーボールを掴み、それを押し退けた。

ケイはすぐに電気コードを取り出し、サトクリフを絞め殺そうとしたが、直後にスタッフが駆け付けた。

スタッフ達はサトクリフが苦しみ叫んでいる姿を発見し、ケイを取り押さえた。


サトクリフはフリムリー公園病院へ運ばれ、緊急手術が行われた。

左目は失明したが、右目は何とか失明を免れた。

しかし、視力は相当下がってしまった。


1998年1月28日、ケイはサトクリフに対する暴行で裁判を受ける事になり、ケイはサトクリフ殺害するつもりだったと認めた。

また、カミソリを歯ブラシに隠し、攻撃するつもりだったと法廷で述べた。


ケイは法廷で

「彼の殺害は常に私の心の中にありました。私は彼をこの手で絞め殺さなければなりませんでした。彼が神に13人の女性を殺すよう言われたように、私は悪魔に彼を殺すよう言われました」

と発言した。


裁判でケイには無期限の精神病院での収監を宣告された。

ケイは最低でも2017年の50歳になるまで、精神病院を出る事は出来ない。



∽ 総評 ∽

以前も言ったが、殺人鬼の記事に別の殺人鬼が登場するのは、個人的に大変興味がある。

この事件もそうだが、その中でもかなりセンセーショナルな部類に入るだろう。

以前、掲載したアンジェロ・ブオーノがウィリアム・ボーニンをボコボコにした話に似ているが、ブオーノがボーニンに暴行したのは、「目付きが気に入らない」というもので、殺すつもりではなかった (当の本人は殺すつもりだったかもしれないが) 。

このケイのサトクリフを狙ったのは、完全に殺そうとして襲い掛かっている。


入院してから15年も経って急に襲われたサトクリフだが、13人もの女性を殺害している報いがやっときた。

殺されるのが1番だが、どうせなら両目とも完全に失明してその後の人生を苦しんで欲しかった。

悪運だけは強いと言えるが、因果応報、悪い行いをした者は、必ず罰を受けるという事である (ただ、以前掲載したロバート・ナッパーの項で、現在、サトクリフはブロードムーア精神病院でWiiで遊んでいる事からそれほど襲われたのは気にしていないかもしれない) 。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★★☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 1人
(他サトクリフ負傷)
《犯行期間:1994年11月15日》