ジェイク・イーキン (アメリカ)
【1990~ 】
エヴァン・サボア (アメリカ)
【1990~ 】
2003年2月15日、アメリカ・ワシントン州グランド郡で、クレイグ・ソーガー (13歳。2月10日に13歳になったばかり) が、行方不明となる。
母親が夜になっても戻って来ない息子を心配し、警察に通報したのだった。
クレイグの母親は、行方が解らなくなる直前に、息子がジェイク・リー・イーキンと、エヴァン・ドレイク・サボアという共にまだ12歳の少年2人と遊んでいたはずだと警察に告げた。
クレイグを含む3人は昔からの友達で、よく遊んでいた。
この日も、イーキンとサボアがクレイグの家を訪れ、クレイグと一緒に外で遊ぼうとクレイグの母親に尋ねた。
クレイグは家にいたが、すでに夜になろうとしていたので、母親は悩んだ。
それは、クレイグが暗闇が怖かったからだった。
しかし、イーキンとサボアもいるという事で、母親はクレイグを遊びに行かせたのだった。
その後、クレイグの遺体が発見される。
クレイグの遺体は家からほど近い公園で見つかった。
警察は早速、イーキンとサボアに事情を聞こうと家を訪ねた。
2人はクレイグが行方不明となる数時間前にすでに家に帰っており、2人にクレイグの遺体が見つかった事を告げた。
サボアは
「3人で木に登り鬼ごっこしていたら、クレイグが落ちた」
と話した。
イーキンも
「一緒に鬼ごっこしていたら、クレイグが木から落ちた」
と警察に話した。
イーキンもサボアも、クレイグが木から落ちた為、動かなくなり死んだと警察に話した。
しかし、クレイグの遺体の検死を行うと、とんでもない事が判明する。
クレイグは頭と首を最低16回殴られており、また、同じ箇所を34回刺されていた。
また、胴体にも8ヶ所刺された痕があったのだ。
警察は検死の結果と、言っている事の食い違いから、イーキンとサボアを第一級謀殺で緊急逮捕した。
事件が公になると、わずか12歳の少年による残虐な殺人事件は全米の注目を集め、連日、法廷は多くの傍聴人で溢れた。
裁判ではイーキンもサボアも無罪を主張する。
しかし、イーキンがサボアに不利な証言をする事で、第一級謀殺から逃れる司法取引に応じ、クレイグ殺害を認めた。
だが、サボアは無実を主張し続けた。
イーキンはサボアが岩をクレイグの頭に落とし、繰り返しクレイグを刺していたのをただ見ていたと話した。
また、サボアがクレイグを罵った後、落ちていた棒を拾い、折れるまでクレイグを殴り続けたと発言する。
しかも、棒が折れた後、再び棒を拾って殴り続けたと、イーキンは述べた。
そして、イーキンは傍聴席にいるクレイグの両親に謝罪した。
裁判官は2人が殺人を犯した時、まだ12歳であったが、事件の残虐性を踏まえ、2人を大人として裁く事を決断する。
2005年4月27日、イーキンには第ニ級謀殺で懲役14年が言い渡された。
2006年4月29日、サボアには第一級謀殺で懲役26年が言い渡された。
殺害されたクレイグは、テレビゲームに科学、車が好きな心優しい少年で、自閉的な発達障害があったという。
最後にイーキンが裁判で発言した言葉で終わりたいと思います。
「私は、自分が子供であるということを知っています」
∽ 総評 ∽
わずか12歳という年齢で友達の少年を惨殺したイーキンとサボア。
これは、1931年以降、アメリカで大人として裁判にかけられた殺人事件としては、もっとも最年少の記録であった。
以前、掲載した『バルガー事件』のジョン・ヴェナブルズとロバート・トンプソンが10歳、メアリー・ベルが11歳と、それに匹敵する若さであった。
ただ、前述した3人とこのイーキンとサボアが違う所は、3人は見ず知らずの、しかも、自分より明らかに非力な相手を殺害しているのに対し、イーキンとサボアは発達障害があったと言えど、同年代 (正式には1つ上) の友人を殺害している所だ (『バルガー事件』の2人が殺害したのは2歳の幼児で、メアリー・ベルが殺害したのは3歳と4歳である) 。
少年による殺人というのは、もちろん古今東西起きており、特別珍しいという事はない。
ただ、前述した他の殺人を犯した少年達と異なり、この2人は被害者と友人関係であったというのが特徴である。
イーキンはサボアに対して不利な証言を行う事で減刑される司法取引に応じ、しかも、サボアが一方的にクレイグを暴行し、イーキン本人はそれを見ていたと言っているが、正直、2人に差はないと思う。
むしろ、イーキンの方がしたたかでずる賢く、陰湿な感じがしてならない。
多分、イーキンも一緒にクレイグを暴行していたに違いない。
イーキンとサボアとクレイグは、以前からの友達であったはずだが、何故、このような陰惨な殺人を行ったのかよくわからない。
発達障害のある息子に、普通に友人が出来た事にクレイグの母親は喜んでいただろう。
そんな友人と思っていた少年2人に殺害された。
この時の母親の心情は察するに余りある。
普段は仲良さそうに見えた3人だが、いじめと一緒で、実際はそうではなかったなかもしれない。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★★☆
・残虐度 ★★★★★★★★☆☆
・異常性 ★★★★★★★★★★
・特異性 ★★★★★★★★★☆
・殺人数 1人
《犯行期間:2003年2月15日》
コメント
コメント一覧 (12)
友人を疑うなんてしたくはありませんが↓こうなってしまうと自衛のために小型マイク、または護身術を身につけるしか…といっても、そこは銃社会のアメリカですから(^_^;)銃なんて、避けようがない(>_<)
そうですね。
昔から「昨日の敵は今日の友」という言葉がありますが、まさに「昨日の友は今日の敵」ですね。
アメリカを始め、海外ではこのような少年による殺人が日本の比ではありません (日本での少年による殺人は年間100件以下) 。
「子供は純粋ゆえに残酷」と言われますが、そんなレベルではないのは確かです。
いくら、残酷だとしても少年が「人を殺そう」とはなかなか思わないですからね。
確かにそうですね。
最近はネットの普及が、少年少女に悪影響を及ぼしている事が多いですし、これからどのようになっていくのか少し恐ろしい所はありますね。
戦場も遠隔操作や無人機で攻撃とか…ゲームと同じ感覚なのでしょうか?相対するよりもテロやゲリラで亡くなってる人、かなりの人数かと(-.-)ずいぶん脱線してしまい すみませんm(_ _)m
ひと昔ならAriesさんの仰る事なんてあり得ないと思いますが、現在ならそれほど不思議に思わないのが危険ですね。
ゲームも最近リアルに現実に忠実になってきているせいで、最近の子供たちは銃の扱いも初めて使うのに相当上手いらいしです。
恐ろしい時代になってきましたね。
この辺りはアメリカを見習って欲しいです。
最近、話題にも出ている酒鬼薔薇のクズが本を出版したり、HPを開設したりして世の中を騒がしてますが、顔も実名も出してないし、怒りしかないです。
本を買うことは出来ませんので、反省しているのかの確認のためにそのHPを観に行きましたが、パリ人肉殺人事件の佐川一政がかつてテレビに出ているのを観て羨ましいと述べたり、気持ち悪いギャラリーを公開しているだけで何の反省もしていないのが良く分かりました。
あの事件をステータスにして誇らしいと思っている感もありましたよ(本を出す時点でそうなのでしょうが)。
少年法はいるかも知れませんが、あくまで軽犯罪までにとどめ、重犯罪は撤廃して欲しいと強く思います。
これでは遺族の方々が救われませんよ(-_-;)
まったく同意見ですね。
アメリカみたいに厳しくして欲しいですね。
私も彼の書籍は読もうとも思いませんが、内容が何であれ、あんなもの出版する事自体非常識過ぎますね。
以前もコメントで言いましたが、出版する出版社側に相当問題ありますね。
私もかなり前に葵龍雄さんのHPを何度も拝見していました。
色々叩かれて閉鎖に追いやられたようですが、あれほど素晴らしいHPはそうはありませんよ。
結構、批判的なコメントしてる人多かったですけど、批判する人達の気が知れないですね。
葵龍雄さんは批判に対しても丁寧にコメントしていましたが、自分が殺されそうになったり殺されたりして「未成年だもん、しょうがないよ」なんて思う人いないですよね。
批判する人達は所詮、みんな他人事なんですよ。
わたしも本を購入という気持ちになれません…自分よりずっと小さな子供に卑劣極まりない凶行を、そして今も顔・名前を出さずに…正確には、袋叩きやリンチが怖くて出せないのでしょう(=_=)少年法にも守られてますし。HPはぜひ見たかったです、無料ですから↑有料なら…う~ん、見ないかも
>管理人さま
当たらずとも遠からずでしたら、なおさら怖いですね↓いつの間にか、あらゆる企業などで人間に代わる労働力になっていたり…無休で24時間休まず働き、必要になるのはメンテだけ(^^;)小説などもコンピューターが執筆する時代になるかもしれないとHPに掲載されてるのを、つい見てしまいました…
私的には彼には全く興味もないので、本を出版するという話しが出た時も、読みたいとも思いませんでした。
正直、話題に上げる事自体、気にしてるみたいで、個人的にはナンセンスなのですが・・・申し訳ございません。