ジェシー・ポメロイ (アメリカ)
【1859~1932】
ジェシー・ハーディング・ポメロイは、1859年11月29日、アメリカ・マサチューセッツ州チャールズタウンで生まれた。
ポメロイは生まれながらにして片目が白く、兎口であった (兎口とはまたを口唇口蓋裂といい、生まれながら唇が裂けている症状) 。
人と違う見た目に劣等感を感じていたポメロイは、成長するにつれ歪んだ性格となり、子供の頃から孤立していた。
そんな自分を慰める為、年端もいかない子供に性的いたずらをしていた。
ポメロイ13歳の時、子供を強姦して精神病院に収容される。
だが、わずか1年で「完治した」として退院する。
もちろん、ポメロイは完治などしているわけなく、その後、父親の店で働くようになる。
1874年3月、ポメロイの家の近所の子供たちが次々と行方不明となる事件が起こる。
そして、発見された時は殺されていた。
ナイフで刺された子供もいれば、絞殺された子供もおり、死体自体が発見されない子供もいた。
警察は以前に幼児強姦事件を犯したポメロイに疑惑の目を向けたが、証拠がなかった。
数日後、ポメロイに襲われた少年が、運良く逃げ延びる事ができ、犯人の特徴を警察に証言する。
1874年4月24日、証言を聞いた警察はポメロイを逮捕した。
警察がポメロイを尋問すると、ポメロイは27人の殺害を自供。
自供を元に警察がポメロイの家の裏手のゴミ捨て場を捜索すると、12体の少年少女の遺体が発見された。
遺体はどれも強姦された上、ナイフでズタズタにされていた。
1881年、裁判でポメロイには終身刑が言い渡された。
ポメロイの母親は、2度もポメロイに脱獄道具を差し入れし、ポメロイを脱獄させようとした。
また、ポメロイ自身も牢獄の壁を掘り進んだ。
1890年、ポメロイは壁を掘り進むと、ガス管に到達する。
そこで、ガスが漏れており、マッチの火で点火し、爆発する。
ポメロイ自身も爆発で吹き飛ばされたが、失神しただけで助かった。
しかし、その代わり他の3人の囚人が死亡した。
ポメロイは別の刑務所に移動となり、特殊独房に41年間監禁され、その後、マサチューセッツ州ブリッジウォーター州立精神病院に移った。
1932年9月29日、同病院で死去。
享年72歳であった。
∽ 総評 ∽
わずか15歳にして10人以上を殺害したポメロイ。
その早熟振りは群を抜いている。
今から150年近く前の事件の為、その詳細はわからないが、こんなにも早くポメロイが異常性を身に付けた理由がよくわからない。
ただ、身体的ものが要因になっている可能性が高く、見た目の劣等感が性格を歪ませたのだろう。
しかし、世の中、もっと辛い状況の中でもしっかりと生きている人間はごまんといる。
結局、ポメロイの心の弱さが招いた身勝手な犯行に他ならない。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★★★★☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★★★☆
・特異性 ★★★★★★☆☆☆☆
・殺人数 12人 (本人は27人と自供)
《犯行期間:1874年3月18日~同年4月22日》
コメント
コメント一覧 (12)
何よりも親がその辺りフォローして自己肯定を与えることが出来ているかが大事だと思います。
まぁまさにうちの兄がそれだったけど、こういう手合いはこちらに同情をさせて憎しみを許してくれない。子供の頃からそうだからその仕組まれた無抵抗とスケープゴートにされた比較的劣位に20数年立っても気がつけなかった。
つまり、虐めっこは辛い時期を他人を攻撃して乗りきるわけだ。
本人は無自覚だがその自己肯定感は他者へのマウンティングで修復維持確立されていた。
自分の事だけ考えて比較優位にとりつかれてる人間に自分の行動のロジックは客観視出来ないだろうけど、私にとっては障害者は同情を受け、批判を受けず、他人を傷つける権利をもってるみたいで羨ましかった。
なるほど。
すごい勉強になります。
確かに虐められっ子が今度は虐める側に回る事ってよくありますもんね。
私は5体満足で生活してきて、障害者の方の辛い気持ちなんて本人達からすれば
「所詮他人事だからなんとでも言える」
と思われるでしょうね。
今年春からこのサイトを楽しませてもらっている者です、よろしくお願いします!
私も障害も容貌に際立った特徴もないのでわからないかもしれませんが、
ポメロイが口唇口蓋裂(口唇裂だったかな?いわゆる兎口)、
しかも片目が白く濁っていた、という話が事実であれば、
生まれつき右手が不自由だったピーター・ディンズデールや
重度の吃音だったチャールズ・ユクルと同様に相当苦痛だったでしょうし、
当然ながら不自由がゆえにストレスも大きかったと思います。
ましてや犯行当時の彼はまだ子供でしたし。
ただし、ポメロイは口唇口蓋裂ではなかった、
片目も濁っていなかったとの説もあるらしく、
実際、逮捕当時の似顔絵や後年の数枚の写真を見る限りでは口唇口蓋裂も
目の濁りも確認できません。
いかんせん、似顔絵と昔の白黒写真ですからわかりにくいですし、
私が読んだ多くのサイトでは片目が濁っていた、兎口だったと書かれており、
それが事実だったと思いますが、
もし、違ったらポメロイは極悪サイコパスの鬼畜だったのかもしれません。
いずれにせよ、早熟過ぎる連続殺人鬼ですよね。
春から当サイトを読んでいただいているということで、誠にありがとうございます。
これからもよろしくお願い致します。
私もポメロイの晩年の写真を見た事ありますが、白目は白黒だったのでよくわからなかったですか、兎口には見えませんでした。
確かに見た目の苦痛は当人しか解りませんし、その苦しさは辛い本人からしてみると、「他人事」だと思われるでしょう。
ただ、hogさんも仰る通り、もし障害者ではなかったのなら、ポメロイは相当な異常者だと私も思います。
少なくとも兎口には見えませんよね。
もちろん仮に兎口などの障害があったとしても許されない極悪行為
だと思いますが(しかもわずか14歳かそこいらで20数人も殺害)、
もし、障害もなかったとしたらばジェシー少年は若年猟奇殺人者の
親玉的な悪魔としか思えません。
19世紀当時は都市部をはじめ貧困がはびこり、恐ろしいほど悲惨で、
極貧者、孤児、浮浪者が数多くおり、
貧困家庭の子弟は非常に多く、
ポメロイが貧困家庭の子弟だったとしても珍しくとも何ともなく、
変人になったり、不良になったりと、
いわゆる「真っ直ぐ」とは育たないのは無理もないとしても、
これほどの連続殺人を犯す少年は他にはいなかったでしょうね←当たり前ですが
仰る通り、時代背景は間違いなくありますね。
ポメロイはさすがに凄いですが、多分、犯罪は横行していたと思います。
日本も戦後間もない混沌とした時期は、今なんか比べものにならないくらい犯罪が横行していました。
時代と犯罪は切っても切れない関係ですね。
確かにそうですね。
私も外的要因 (頭を強打等) 以外はほぼそうだと思います。
私は基本人間は「性善説」だと思っているので、まともな親や環境なら、子どもはまともに育つと思います。
ポメロイは兎口ではなかったという説も、最近かなり有力説になっているみたいですね(若い頃の絵も、晩年の写真でも兎口は確認できないので)
どちらにしろ異常者である事に変わりはありませんが。
しかし、50年以上独房で過ごした人生とは、どんなものだったのだろうか・・と,つくづく思います。
やっぱりそのようですね。
晩年の写真も兎口には見えないんですよね。
今みたいに整形技術も進歩しているわけではないので、後年整形手術したわけではないでしょうし。
50年は辛かったでしょうね。
知り合いの人が2週間、警察署に拘留された話を以前聞いた事あるんですが、外に出た時
、あまりの太陽の眩しさに感動したらしいですよ。
彼はまさに家族の中のサンドバッグでした。
その辺りの記述もしてほしかったですね。あまりにも暴力と精神虐待が酷かったせいで5歳の頃には、過緊張状態で動作にも支障が出ていたそう。
家族の暴力から逃げる為にジェシーは何度も家出を繰り返し、その度に連れ戻され更に酷い折檻を受けてました。父親は折檻する際に必ずジェシーを裸にしたそうです。要するに家族全員キチガイだったんでしょうね。
虐待ですか。
それは酷いですね。
しかも執拗で陰湿、親も裁かれるべきですね。