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フアン・コロナ (アメリカ)
【 1934 ~ 2019 



1934年、メキシコで生まれたコロナは、1950年代に季節労働者としてアメリカに移民した (当時はメキシコからアメリカに出稼ぎに行く人も多かった) 。


慣れない土地での生活の為か、コロナは次第に精神に異常をきたし、精神分裂症と診断された。


1971年5月19日、アメリカ・カリフォルニア州ユバ・シティの近くで、日本人の農夫が奇妙な穴を発見する。

その日の夕方、その日本人農夫が再び穴を見に行くと、その穴は塞がっていた。

農夫は自身の土地で起こっているこの不可解な出来事に怒り、警察に通報した。

早速、警察が駆け付け、穴を掘り起こしてみると、そこには男性の死体が埋まっていた。

死体は胸を刺され、頭部を鉈で割られていた。

後にこの死体の身元はケネス・ウイタッカーと判明し、ホモによる性行為の後に殺されたと見られた。

その理由として、ウイタッカーの死体のポケットには同性愛に関するパンフレットが入っていたからだ。

警察はユバ・シティを中心に捜査を開始した。


同年5月24日、サリバンという男性が所有する農園にも墓のように見える不気味な土盛りを発見する。

警察が土を掘り起こすと、今度は老人の死体が発見された。

警察はサリバンの農園を更に調査した。

すると、いくつかの同じような土で盛られた墓が見つかり、掘り起こすと死体が出て来た。

その中の1つの死体は殺害されて間もないもので、違う墓の中からは「ファン・V・コロナ」の署名の2通の領収書が発見された。

死体の1つはジョン・ヘンリー・ジャクソンと判明し、1971年4月にコロナの移動労働者グループに送り込まれた年配の黒人であった。


1971年5月26日、コロナは逮捕された。

ただし、死体発掘の捜索はコロナ逮捕後も続けられ、6月4日までに結局全部で25体もの死体が発見される。

殺害された死体はズボンを足首まで下げられていたり、ズボンを履いていないものもあった。

その為、強姦されたのは明白で、殺し方もナイフで刺されたり、鉈で頭を割られたり、銃で撃たれたもの等、多種多様であった。

また、墓の中から「ファン・V・コロナ」の署名がある2片の銀行預金伝票が見つかった。


裁判が開かれ、コロナの弁護側は必死でコロナを擁護するがどれも弱く、その弁護も苦しいものばかりであった。

コロナの車の中で発見された血痕は、1人の死体の血痕と確認された。

陪審員の協議はおよそ45時間もかかり、コロナには25回分の終身刑が言い渡された。


2019年3月4日、コロナは病院で死去した。

享年85歳。



∽ 総評 ∽

労働というのを餌に誘き寄せ、次々と労働者を強姦した挙げ句殺害したコロナ。

しかもコロナの殺害はわずか2ヶ月足らずで行われ、2日に1人を殺すという異様なペースであった。

コロナの殺害の動機はよくわからないが、コロナはゲイであった為、無理矢理犯され、殺害されたのであろう。

ただし、自分の欲求を充たす為に、獲物を誘き寄せる方法としては悪くはない。

コロナの方法だと容易に人員を集める事が出来るし、しかも全く怪しくなく集める事が出来る。

しかし、コロナは殺害方法にはこだわりがなかったので、殺し自体はどうだってよかったのではと思われる。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★☆☆☆
・残虐度 ★★★★★★★☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★★☆☆
・特異性 ★★★★★★★☆☆☆
・殺人数 25人以上

《犯行期間:1971年~同年5月19日》