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アックスマン (アメリカ)
【 1918 ~ 1919 】



1918年5月23日、アメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズで事件が起こる。

靴屋を営んでいたイタリア人のジョーと妻のキャサリンのマッジオ夫妻が殺害される。

ジョーは斧と剃刀で首を切断されており、キャサリンは首の皮1枚でかろうじて繋がっている状態であった。

犯人は凶器を現場に残しており、店から少し離れた路上に

「マッジオ夫人は今夜も眠れない。トニー夫人と同じように」

という落書きが記されていた。

ここで言うトニー夫人というのは、遡ること1911年に殺害された、食料品店を経営する3組のイタリア系夫婦の1人のことであると思われた。

殺害されたのはクルティ夫妻、ロセッティ夫妻、そして、シャンブラ夫妻の妻がトニーという名前だったのだ。

その為、アックスマンによる犯行はこの時から始まっているとも言われている (ただし、実際の因果関係は不明) 。


同年6月28日、ポーランド人のベスメル家が襲われ、内縁の妻であるハリエット・ロウが殺害され、ルイス・ベスメルは血まみれで倒れていた。

ルイスは一命を取り留めたが、浴室で発見された凶器の斧はルイスの物であった。

また、ハリエットが死ぬ直前に「犯人はルイス」だと告げて死んだ為、ルイスは逮捕された。

ルイスは無罪を主張しており、ルイス逮捕後にアックスマンは再びあらわれた為、翌年、ルイスは釈放された (ただし、本当にルイスが犯人じゃないとは限らない。アックスマンの騒ぎに便乗してルイスがハリエットを殺した可能性もある) 。


同年8月5日、エドワード・シュナイダーは職場から帰宅すると、妊娠中の新妻が血まみれで倒れているのを発見する。

幸い新妻は一命を取り留め、お腹の子供も無事であった。


同年8月10日、理髪店を営んでいるジョセフ・ロマーノを襲い、ロマーノの殺害。

この時、ロマーノの姪がアックスマンを目撃しており、姪が叫んだ為、アックスマンは逃げ出した。

後に姪はアックスマンは黒いソフトド帽を被った白人の大男だと証言している。

この頃にはニューオーリンズはアックスマンの凶行によりパニック状態となっており、戸口に斧を置くイタズラが流行するほどであった。


しかし、1918年に終結した第一次世界大戦の影響からか、アックスマンもしばらくなりを潜める。


1919年3月10日、アックスマンが再び活動を始める。

食料品店を経営するイタリア系の一家が襲撃され、主人のチャールズ・コーティミグリアと、妻のロージーは助かるが、娘メアリー (2歳) は死亡する。

ロージーはイタリア系の同業者であるジョルダーノ親子が犯人だと訴えた。

夫のチャールズは
「絶対に違う」
と言うもロージーが引かず、結果、ジョルダーノ親子は逮捕され、父親は終身刑、息子は死刑を宣告された (後に無実が証明され釈放されている) 。

数日後、アックスマンは新聞社に

「また、ニューオーリンズにやってきた。ジャズをかけている家は襲わない」

という挑戦的な文書を投稿する。

これを受けてニューオーリンズの家では各家でジャズがかけられ、実際、アックスマンは現れなかった (現在、これはアックスマン本人ではなく、誰かがイタズラで送ったと言われている) 。


同年8月10日、イタリア系の食料品店主ティーヴ・ボカが襲われるも、一命を取り留める。


同年9月3日、サラ・ローマン (19歳) が襲われるも一命を取り留める。


同年10月27日、イタリア系の食料品店主マイク・ペピトーネが襲われ、死亡する。

これが、アックスマンによる最後の犯行となった。

現在もこのアックスマンの事件は、アメリカを代表する未解決事件とにっている。



∽ 総評 ∽

「アックスマン」や「ニューオーリンズの斧男」と呼ばれ、当時のニューオーリンズを震撼させた事件。

現在まで未解決であり、世界を代表する未解決事件としても有名である。

第一次世界大戦中の混沌とした時代に突如現れ、人々を次々と襲っては行方をくらました。

1911年の3世帯殺害に関してはアックスマンによるものかどうかはわからない。

7年前に殺害されたトニー夫人の名前を語りたかっただけなのか、実際にアックスマンが殺害したのか、本人が捕まってないのでわからない。

アックスマンはイタリア系やポーランド人などを狙っている為、他国の人間を嫌い目の敵にしていた可能性もある。

また、食料品店を主に襲っている為、食料品店に何らかの恨みがあったのかもしれない。

以前掲載したファントムキラーもそうだが、未解決事件は犯人がわからない為、襲った理由は一切わからない。

また、犯行を急に止めた理由ももちろんわからない。

未解決事件としてはトップクラスの知名度を誇る「切り裂きジャック」や「ゾディアック」もそうだが、未解決事件というのはその為、色々な想像を掻き立て、現在も話題になるのである。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★★☆☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 6人
(他負傷者多数)
《犯行期間:1918年5月23日~1919年10月27日》