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ル・サン・ヴァン (ベトナム)
【1956~ 】



1998年1月から2001年8月の3年間半で、13人を殺害したとして、ヴァンは逮捕された。

また、ヴァンには当時、ボーイフレンドであるディーウ・ダン・クァン (31歳) がおり、クァンと一緒に殺害した可能性が高く、クァンも一緒に逮捕された。


ヴァンによる犠牲者は、夫や夫の母親、夫の兄弟や養母、知人等であった。

夫殺害の理由は詳しい事はわからないが、ヴァンには子供が2人いたのだが、夫は働きもせず、家でゴロゴロしていた。

そんな夫に日頃から嫌気がさしていたヴァンはクァンと結託し、殺害したのだと思われる。


ヴァンは言葉巧みに犠牲者を誘い出し、毒物入りの シアン化物を飲み物や食べ物に混入し、毒殺した。

シアン化物はわずか0.15~2.0グラムの量で人を死に至らしめる劇薬であった。

犠牲者達はヴァンの顔見知りであった為、疑いもせず、差し出された物を口にした。


殺害の動機は、犠牲者の金品や財産を奪う為で、ラジオやカセットプレーヤーや、携帯電話等を主に盗んだ。


実はヴァンは毒殺を繰り返していた1998年から2000年の間、2度、殺人容疑で逮捕されていた。


1度目は、2000年7月、ヴァンの鞄の中から2.8グラムのシアン化物が発見され、ヴァンはその場で殺人事件の容疑者として逮捕された。

しかし、ヴァンが連続殺人でシアン化物を使用したという証拠がない為、ヴァンは解放された。


このヴァンの事件を新聞社はこぞって大々的に発表する。

事件が明るみになると、ベトナムではこういった連続殺人事件は過去にあまり例がない為、ベトナム中が震撼した。


裁判で13人の犠牲者達が、死ぬ前にめまいや嘔吐、頭痛という類似した症状に苦しんでいた事が告げられた。

一部の犠牲者は、冠状動脈血栓症から肺炎を引き起こした。

犠牲者達が運ばれた病院のほとんどで、死因を特定出来なかった事が、事件が明るみとならず、長引いてしまった原因にあげられた。


2004年8月25日、裁判に出廷したヴァンは、すべての容疑を認めた。


2004年9月1日、ヴァンには銃殺による死刑が、クァンには懲役21年が言い渡された。



∽ 総評 ∽

金品欲しさに夫の家族を毒殺したヴァン。

保険金殺人もそうだが、古今東西問わず、女性によるこういった殺人は多い。

ただヴァンは夫の家族を狙ったが、たまたま夫の家族が金持ちだったのか、夫の家族を憎んでいたので殺害したのかよくわからない。


女性は男性と比べて非力な為、殺人を犯す場合、どうしても刃物や毒物に頼る傾向にある。

毒殺というのは絞殺や撲殺等と違い、間接的で殺人を犯したという実感があまりない。

その為、このヴァンのように、何の躊躇いもなく、次々と殺人を犯してしまうのだ。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★★☆☆☆☆
・殺人数 13人

《犯行期間:1998年1月~2001年8月》