image















アンドレア・ヴォルペ (イタリア)

【1976~ 】



1976年2月4日、ヴォルペはイタリア・ミラノ近郊のブスト・アルシジオで生まれた。


ヴォルペは悪魔主義を標榜するブラック・メタル好きで、自らも「ベスティ・ザ・サタナ」というブラック・メタル・バンドを結成し、活動を行っていた。

「ベスティ・ザ・サタナ」とは、英語で言うと「ビースト・オブ・サタン」と言い「悪魔の野獣」という意味であった。

ちなみに、ヴォルペのバンドでの役割はギタリストであった。


「ベスティ・ザ・サタナ」は、ロック・バンドとして演奏するメンバーの他に、10数人ものセカンド・メンバーがおり、彼らは悪魔崇拝の儀式を行う時に集まった。

バンドは実際に演奏は行ったが、結局はカルト集団であった。


1998年、ヴォルペは悪魔主義の更に高い段階に到達しようと考えるようになる。

その為には

「人間の生贄を悪魔に捧げなければならない」

とヴォルペは考えた。


同年1月17日夜、ヴォルペは実際の人間の生贄を使った儀式を行うと決める。

その生贄候補に、地元のロック・バンドのヴォーカル、キアラ・マリノ (19歳) だった。

キアラは「ベスティ・ザ・サタナ」のメンバーであるファビオ・トリス (16歳) の彼女であった。

彼氏であるファビオに誘われたキアラは、疑うことなく儀式に参加した。


この日は満月の夜だったのだが、これは絶好の悪魔崇拝儀式日和だった。

儀式が行われる墓地では、10人のメンバーが集まっていた。

ヴォルペは

「今夜の儀式の生贄は、キアラ・マリノだ!」

と叫ぶと、キアラは驚き逃げようとしたが、取り押さえられた。

さすがに動揺した彼氏のトリスは、キアラを助けようとしたが、トリスも取り押さえられてしまう。

そして、ヴォルペはナイフでキアラの腹部を深々と突き刺した。


キアラが死ぬと、今度はトリスの後頭部をハンマーで殴り、気絶させた。

その後、トリスもナイフで突き刺し、殺害した。

2人の死体は毛布に包み、近くの森に埋めた。


同年5月28日、キアラとトリスの死体が発見されたが、手掛かりがなく、捜査は難航した。


2001年1月、ヴォルペは新しい彼女であるエリザベッタ・バラリン (19歳) が出来たが、元彼女であるマリアンジェラ・ペゼッタ (27歳) がなかなか別れてくれなかった。

そこで、ヴォルペとエリザベッタは、郊外の廃屋にマリアンジェラを呼び出した。

そして、ヴォルペは銃をマリアンジェラの口に押し込むと、躊躇なく発砲し、マリアンジェラは即死する。


その後、2人はナイフで死体をズタズタに切り裂き、「ベスティ・ザ・サタナ」のメンバーのニコラ・サポネを呼び、死体の処理を手伝わせた。

死体は近くのビニールハウスに埋めた。


マリアンジェラの死体はすぐに発見され、警察はマリアンジェラがヴォルペの元彼女であり、別れ話しでもめていた事を突き止める。

そして、警察はヴォルペとエリザベッタを逮捕した。


取り調べを受けたヴォルペは、マリアンジェラ殺害を認め、1998年のキアラとトリス殺害も自白した。

ヴォルペの自宅を捜索した警察は、悪魔崇拝の祭壇や、人間の頭蓋骨等が発見した。

そして、「ベスティ・ザ・サタナ」の構成員数名も共犯として次々に逮捕された。


裁判でヴォルペは

「とても反省している。この事件で両親が世間から迫害されたら悲しい」

と発言している。


2005年2月22日、ヴォルペには懲役30年が言い渡された。



∽ 総評 ∽

ロック・バンドを結成し、悪魔を呼び寄せる為に殺害したヴォルペ。

ヴォルペの凶行はよくあることで、それほど珍しい事ではない。

悪魔崇拝する人物はシリアルキラーに多く存在し、必ず生贄と称し、殺人に至る。


ただ、ヴォルペは最後の殺人は、悪魔とは関係なく、ただ単に邪魔な元彼女を殺害した。

これはかなり危険な行動で、ヴォルペはすでに悪魔崇拝とは関係なく殺人を行える人物に成長していたのである。

もし、この直後に捕まっていなければ、更に犠牲者が増えた可能性が高い。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★☆☆☆☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★☆☆☆☆☆
・殺人数 3人

《犯行期間:1998年1月17日、2001年1月》