_20190714_143026
ゲイリー・リッジウェイ (アメリカ)
【 1949 ~      】



ゲイリー・レオン・リッジウェイは、1949年2月18日、アメリカ・ユタ州ソルトレイクで生まれた。

父親はトラック運転手として働いていたが、暴力的な性格で、売春婦を毛嫌いしていた。

幼少からおとなしく、賢くなかったリッジウェイに、母親は厳しく接した。

それが原因かはわからないが、リッジウェイは13歳にしても夜尿症 (おねしょ) が治らなかった。

高校に入学するが、リッジウェイは失読症であった為、1年間施設に入った。


16歳の時、ナイフで少年 (6歳) を森の中に連れて行くと、ナイフで腹部を刺した。

刺し傷は肝臓に達したが、少年は一命を取り留めた。


高校卒業後、海軍に入隊し、ベトナムに派遣される。

ベトナムで売春婦を買い漁った為、淋病をうつされた。

その後、ワシントン州シアトルのキング郡に居住し、トラックの塗装工として30年間働いた。

長い年月真面目に働き、同僚からは信頼が厚かった。

熱心に教会に通うほど信仰心が強く、仕事の休み時間には『聖書』を読むほどだった。

リッジウェイは3度の結婚経験があったが全て破綻している。

また、よく売春婦を買い、行為に及んでいたが、リッジウェイは性欲が強く、1日に何回も性交しないと気が済まなかった。

そして、リッジウェイは殺人を開始する。


1982年1月、16歳の売春婦を買ったリッジウェイは、ことを終えると絞殺する。

そして、死体をキング郡を流れるグリーン・リバーに捨てた。


その後、次々と売春婦を買っては殺害を繰り返し、6ヶ月間で6人殺害する。

マスコミはこのグリーン・リバーに死体を投げ捨てる謎の犯人を
「グリーン・リバー・キラー」
と名付け、大々的に報道した。

しかもリッジウェイは、死体を捨てた場所を

「クラスター (「房」あるいは「集団」という意味) 」

と呼び、たまに死体を見に行ったりしていた。


この「グリーン・リバー・キラー」の捜査に、かの有名なテッド・バンディ以来の大掛かりな特別捜査班が組まれた。


1983年、リッジウェイは売春婦を車に乗せる所を目撃されるが、警察は事件とは無関係だとして釈放してしまう。


捜査が行き詰まる中、1984年、獄中の連続殺人犯テッド・バンディが捜査協力を申し出る。

バンディは同じシリアルキラー同士、
「相手の考えている事がよくわかる」
と語った。

バンディが言うには
「年齢は30代」「普段は真面目でおとなしい人物」「死体を確認しに行くので、遺体のある場所で張り込みすれば、必ず現れる」「逃げ延びた女性が必ずいるはず」
など、かなり現実味のある的確なプロファイリングであった。

しかし、警察はバンディのプロファイリング通り、遺体の現場で張り込む事はしなかった。

実際、リッジウェイは捨てた死体の確認に、何度も足を運んでいた。

警察の捜査が遅々として進まない中、リッジウェイの犯行は続き、1984年までに42人もの犠牲者が出た。


1987年、警察はリッジウェイを容疑者の1人と判断し、取り調べを行った。

当時、ようやくDNA鑑定が始まった為、リッジウェイの髪や唾液を取ったが、当時のDNA鑑定は鑑定結果を鑑定人が目視で判断するという曖昧なものだった。

その為、リッジウェイは無関係として釈放されてしまう。


1991年、犠牲者は49人を数えたが、捜査チームは解散となってしまう。

また、リッジウェイはアメリカだけでは留まらず、カナダなオレゴン、ヴァンクーバー、ブリティッシュコロンビアにも行き、売春婦殺しを始める。

カナダではもちろん「グリーン・リバー」はないので、ハイウェイに死体をばらまいていた。

カナダでの犠牲者は61人に及んだ。


しかし、2001年、最新のDNA鑑定技術により、リッジウェイのDNAが犠牲者に付着した唾液のDNAと一致する。

これにより、リッジウェイはついに逮捕される。


2003年、リッジウェイはワシントンの捜査当局と司法取引し、捜査に協力することで、死刑を回避し、仮釈放なしの終身刑となった。

リッジウェイはアメリカでは49人殺害したと言われているが、本人は60人は殺したと自供している。

リッジウェイは現在、刑務所で服役中であるが、カナダの殺人については、別件なので、カナダの裁判次第では死刑も充分ありえる。



∽ 総評 ∽

「グリーン・リバー・キラー」と呼ばれ、20年もの間、アメリカはもとよりカナダで殺人を繰り返したリッジウェイ。

2001年に逮捕されるまで、リッジウェイは当時、「捕まっていない最も有名な連続殺人鬼」として全米に知れ渡る存在であった。

リッジウェイは13歳まで夜尿症が治らなかったが、夜尿症は多くのシリアルキラーの幼少時の典型である。

アメリカでは司法取引は一般的で、捜査に協力するという形で減刑される事が多い。

遺族からすれば、死刑になって欲しいと思うものだが、事件の全容解明に協力するということで、死刑を回避できるということが、納得できるはずもない。

当初のDNA鑑定でリッジウェイが「グリーン・リバー・キラー」と判明されたなら、被害者が増える事はなかったが、まだ導入されたばかりのシステムだった為、こればっかりは鑑定人を責めるわけにはいかないだろう。

ただ、尋問や調書をとっている段階で、リッジウェイの怪しさに少しでも気づいていれば、こんな膨大な被害者を出さずに済んだと思うと、悔やまれる。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★★☆
・残虐度 ★★★★★★★☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★★★☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 110人
(もっと多い可能性が高い)
《犯行期間:1982年1月~2001年》