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デイトン・ロジャース (アメリカ)
【1953~ 】




デイトン・リロイ・ロジャースは、1953年9月30日、アイダホ州モンコーで生まれた。


ロジャースの家庭は、セヴンスデイ・アドベンティスト派の熱心な信者で、戒律に厳しかった両親はロジャースを厳しく育てた。

体罰は当たり前で、父親はロジャースが些細なイタズラをしても殴ったり、鞭で打ったりした。


そんな状況でロジャースがまともに育つわけもなく、常習的な性犯罪者として育っていく。


1972年、ロジャースは結婚するが、新婚わずか30日後に、15歳の女の子をナイフで脅し、レイプしようとする。

しかし、女の子が激しく抵抗した為、レイプは出来ず、女の子の腹をナイフで刺して逃走した。

幸い女の子は助かり、この女の子の証言からロジャースが浮かび上がり、ロジャースはあっさりと逮捕される。

新婚の新妻は呆れ、離婚を申し立て家を出て行ってしまう。


その後のロジャースはレイプ事件を起こし、逮捕されては釈放されるという生活を繰り返した。


1975年にロジャースは再婚する。

ロジャースは自動車整備の仕事に就き、真面目に働くようになった。

生活は安定し、当初は幸せな生活を送っていたが、妻が妊娠したことによりその均衡が崩れる。

それは妻との性生活が出来なくなったからだ。


ロジャースはもともと人並みはずれた性欲の持ち主で、そんなロジャースが我慢できるはずもなかった。

初めは売春婦相手にその性欲の捌け口としていたが、それでは抑えきれず、ついにロジャースは強姦殺人を犯すようになる。


ロジャースはオークランドの街で売春婦を買い、車に乗せると郊外の森に向かった。

そして、車内で売春婦に酒とドラッグを振る舞うと、女性を口説くような優しい言葉を売春婦にかけた。

しかも、ロジャースは必ずウオッカとオレンジジュースを混ぜてスクリュードライバーを作り飲ませるというこだわりを見せた。


だが、売春婦が全裸になるとロジャースは豹変し、売春婦を縛り上げ、ナイフで切り刻んで首を絞めて拷問した。

しかし、ギリギリの所で殺さず、売春婦の身体に噛みつき、散々レイプした後にナイフで刺し殺した。


ロジャースの犯行は次第にエスカレートしていき、売春婦がまだ生きているうちにノコギリで足を切断したり、腹を鉈で切り裂いて内臓を引っ張り出すなど、残虐ぶりを遺憾なく発揮した。


こうして7人の売春婦が犠牲になったが、警察は性犯罪歴から連続殺人がロジャースではないかと目星をつけていた。

そんな中、ロジャースはジェニファー・スミスという名の売春婦をいつも通り買うと、その場でナイフで切りつける。

スミスはいつも通り殺害するのだが、切りつけた所を目撃されてしまい、この目撃証言からとうとうロジャースは逮捕される。


裁判では6件の殺人で有罪となり、死刑判決を受け、現在はその時を待っている。



∽ 総評 ∽

日本は基本無宗教な国柄なので、幼少の頃から親が宗教を子供に押し付けるような事は少ない。

アメリカではロジャースのように親が宗教の熱心な信者ということが多く、それを子供に課し、厳しく育てる為、異常な性格になる事が多い。

バーバート・マリンは普通の子供であったが、親が異常なカトリック教徒だった為、歪んだ性格になってしまい、殺人を犯すまでに至った。

アメリカは世界の人口からすれば、わずか5%に過ぎないが、連続殺人件数となると、世界の70%も占める。

本件のような事がその世界の連続殺人大国の形成に繋がっているのかもしれない。


ロジャースは有り余る性欲をもてあまし、妻の妊娠でそれを処理できなかった為に凶行に出たが、ロジャースのように人一倍性欲の強いシリアルキラーは多い。

その性欲が何らかの要因で抑圧されてしまう時、ロジャースのような強姦殺人鬼が誕生してしまうのである。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★☆☆☆☆☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★☆☆☆☆
・特異性 ★★★★☆☆☆☆☆☆
・殺人数 7人

《犯行期間:1987年》