アンドリュー・クナナン (アメリカ)
【 1969 ~ 1997 】
アンドリュー・フィリップ・クナナンは、1969年8月31日、4人兄弟の末っ子として生まれた。
クナナンはIQが150もあり、6歳の時には聖書を暗唱し、3ヶ国の言語を話す事ができた。
クナナンの家は裕福で、高校まで私立の学校に通った。
また、父親がフィリピン人で母親が白人であった為、クナナンはエキゾチックなハンサムとして育った。
その為、男性にもモテたクナナンは、自らもゲイに目覚めた。
高校の時、校内で人目を集める程、目立つ存在であったが、
「卒業したら最初に忘れられそうな人物」
という投票ではなぜか1位に選ばれている。
多分、見た目は良いが、中身がなく、個性というものがなかったのだろうと思われる。
しかし、この高校の時にすでにクナナンは、年上の裕福な彼氏と交際し、貢がせていた。
それほどクナナンは口が上手く、詐欺師的な性格を持ち合わせていたのだった。
そして、クナナンはカリフォルニアの大学に進学する。
だが、そんな順風満帆な生活を送っていたクナナンが、大学在学時にその生活が一変する。
クナナンの父親は、そもそも株式仲買人として成功した人物だったのだが、クナナンが19歳の時、投資に失敗し、客のお金を横領し、国外に逃亡してしまったのだ。
その為、クナナンの家は貧困を極め、退学を余儀なくされる。
クナナンはカリフォルニアのゲイ・コミュニティにおいてパトロンを見つける。
クナナンは経歴を詐称し、金持ちそうなゲイに言葉巧みに言い寄ったのだ。
そして、そのパトロンからクナナンは毎月2500ドルをもらうようになる。
しかし、1996年、パトロンと縁が切れると、ドラッグの密売に手を染め、自らもドラッグに溺れるようになる。
1997年4月、クナナンはデイヴィッド・マドソンという男性と付き合う事になり、マドソンの家に住み着く事になる。
しかし、同時にジェフリー・トレイルという男性とも関係を持ち、3角関係となる。
同年4月25日、その3角関係について話し合おうと、トレイルをマドソンの家に呼びつけたクナナンは、台所にあったハンマーでトレイルを殴って殺害する。
帰宅したマドソンにトレイルの死体を見せ付けたクナナンは、トレイルに手伝わせて死体をカーペットで巻き、部屋の隅に置いた。
2日後の4月27日、途方にくれてミネアポリスの湖まで来たクナナンとマドソンだったが、湖のほとりに立つマドソンをクナナンは車で轢き、銃を何発も打ち込んで殺した。
クナナンは初めからマドソンを殺害する目的で湖に連れて来たのだ。
その後、クナナンはシカゴに逃走する。
1997年5月4日、クナナンはシカゴの不動産業者リー・ミグリン (72歳) を殺害した。
この殺害については今でも理由がよく判らない。
ミグリンが同性愛者だった為、痴情のもつれとも、ミグリンではなく息子の方とのもつれだとも言われてる。
クナナンはマドソンの車からミグリンの車に乗り換え、再び逃走する。
同年5月9日、ニュージャージー州に移動したクナナンは、墓地管理人ウィリアム・リース (45歳) を射殺する。
この殺害についてもその理由が全くわかっていない。
そして、クナナンは再び車を乗り換えた。
クナナンは全米で指名手配犯となり、FBIは最重要指名手配の10人の1人に認定される。
マスコミはクナナンの無差別な殺人を
「彼がAIDSになった為、道連れを増やしているのではないか?」
と報道し、騒ぎを煽り、パニックに陥った。
同年7月15日、クナナンはフロリダのゲイ・コミュニティに姿を現し、ここに住む世界的デザイナーであるジャンニ・ヴェルサーチの自宅に向かった。
自宅に帰って来たヴェルサーチを後ろから頭を2発撃って殺害する。
実はこの殺害は、クナナンがヴェルサーチの行動を2、3日研究しての犯行であった。
この世界的著名人であるヴェルサーチの殺害について、以前ヴェルサーチのモデルに応募したクナナンが、選ばれなかったことを理由に行ったものだとされている。
クナナンは逃走し、姿をくらましたのだが、その消息はわからず終いだったのだが、クナナンは停泊中の高級クルーザーに潜伏しているとの情報を掴む。
同年7月23日、クナナンが潜伏するクルーザーに警察は踏み込むが、すでにクナナンは銃をくわえ自殺した後であった。
∽ 総評 ∽
クナナンは殺害した相手の1人が、現在も有名ブランドとして名高いヴェルサーチだったこともあり、殺人鬼の中でも有名な人物である。
クナナンは合計5人殺害しているのだが、その理由がいまいちわからない。
HIVの陽性であった為に自暴自棄となり犯行に及んだのではと噂されたが、検視の結果陰性である事が判明している。
ただ、本人がHIVにかかったと思い込んでいる可能性はある。
通常、シリアルキラーと呼ばれる人物は、殺人に喜びを覚え、快楽として繰り返すものだが、クナナンにはそういうことがない。
かといって金銭目的でもなく、殺人にこだわりもテーマもない。
そう言った意味でもクナナンは非常に珍しい殺人鬼である。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★★☆☆☆☆
・殺人数 5人
《犯行期間:1997年4月25日~同年7月15日》
かといって金銭目的でもなく、殺人にこだわりもテーマもない。
そう言った意味でもクナナンは非常に珍しい殺人鬼である。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★★☆☆☆☆
・殺人数 5人
《犯行期間:1997年4月25日~同年7月15日》
コメント
コメント一覧 (10)
クナナンは若い頃は容姿端麗でパトロンもすぐみつかり、はぶりは良かった
周りにも高価なものを自慢し、ふるまったりもしてます
それでも「卒業したら最初に忘れられそうな人物」
っと誰にも相手にされていなかった
そこは彼の心理に大きくあったと思います
歳と共に限りが見え、ドラックの影響もあり若々しさが失われれ、昔のようにゲイにすら相手にされなくなったクナナン
パトロン探しは若い時のようにはいかなくなって……
さらにエイズの問題も出て、彼自身汗ったんじゃないかと思います
ちなみに殺されたヴェルサーチはブロンドの髪の若男を好みとしており、クナナンのような黒髪、そして若々しくもなくなってきた男には興味をもたなかった
、どっちにしてもそもそも好みのタイプでもなかったようです
ここでもクナナンは相手にされなかった
そして会話は決裂して去り際に後ろから頭を撃ち抜いた、ようなことが書かれていました
どっちにしても、ヴェルサーチは最初から殺すつもりだったと思いますが
うまくいけばパトロンとしても考えたと思いますし、いかなくても殺して自分を表現出来る
本を読んで自分はそう思いました
なにせみんなから相手にされない人生ですから、彼は………
犯罪者は自己中心でナルシストな人が多い気がします
有名人を殺害した事で犯人も有名になりましたね。
なるほど、そのような経緯だったとも思えますね。
重度の寂しがり屋なのかもしれませんね。
クナナンもベルサーチを殺したことで有名になりましたが、結局こいつも軽蔑しかできない凶悪犯罪者ですね。
明確なテーマも、殺害相手の厳選も全くなく方法もすごく粗いシリアルキラーですね。
潔い死に様ではありますが、社会も混乱させ、ベルサーチを殺したことで満足できての死だったのでしょう。
そういう風にはあえて書かないようにしています。
こんなちんけな殺人犯が大物になったように見えてしまうので。
なるほど、あえて書かずに小物として軽蔑しているんですね。
私も快楽犯罪者は徹底的に軽蔑されるべき存在だと思います!!
どうせ人間として終わっているので人間として扱う必要は一切なく、生きているうちに地獄に突き落としてから処刑してほしいくらいです!!
軽蔑すべき存在ですね。
地獄に突き落としてやりたいです。
しかしこの人はパトロン以外で生きる道は無かったのかな?
そうだったんですね。
昔の容姿は知らなかったです。
おそらくパトロンでしか生きる道がなかったのでしょう。
初めてこのブログを知ったきっかけはアルバートフィッシュです。例の手紙の子以外の犯行が詳細に書かれているところが他になかったので興味深かったです。ありがとうございます!
アメリカンクライムストーリーというドラマ「ヴェルサーチ暗殺」で映画化されました
内容はヴェルサーチよりクナナン主体、俳優がかなりかっこいい方、孤独で可哀想ななゲイという描かれ方をしていたので何だかなぁ…と思いました(脚本家がいうにはヴェルサーチはクナナンが欲しかったものを全て持っている、その対比を描いたそうなのでドラマとしては出来が良かったです)
ヴェルサーチ以外は行き当たりばったりの犯行で犠牲者からしたらたまったもんじゃないですよね
日本のWiki、海外のWiki両方では検死解剖の結果HIV陰性だったと書かれてますがどちらが本当なんでしょう?
映像化されたのですね。
海外の色々な記事を調べたのですが、陽性というのもありますね。
ただ、調べた結果陰性という記事が多かったですね。
記事も訂正致します。