サイウソン・グラサス (ブラジル)
【1988~ 】
サイウソン・ジョゼ・ダス・グラサスは、2014年12月10日、リオ州バイシャーダ・フルミネンセで、知人から金銭を受け取り女性を殺害した容疑で、リオデジャネイロ警察に逮捕された。
また、グラサスの同居者で、複数の殺人を依頼していた夫婦も逮捕された。
翌日の11日に警察はグラサスの取り調べで、
「白人女性を中心に9年間で43人を殺した」
とグラサス本人が供述していると発表する。
表情も変えずに淡々と自白するグラサスの姿は殺人事件の扱いなれた警察官をも驚かせた。
供述の内容を聞いた担当警部は
「これだけの数の事件についてこと細かく話せるのは当事者しかいない」
として、供述は信憑性があると判断する。
何件かについてはその場で事件の記録を調べ、詳細を確認し、警察は供述と一致する4人の被害者を把握しており、他の殺害についても急いで裏付けを行っている。
グラサスはある女性とその夫だった男性から頼まれて殺した例もあると供述しており、殺した褒美として、水や食料、服、住居、必要なものを買う金などを受け取ったという。
その夫婦に頼まれた際は、ナイフで刺し殺し、自分の意思で犯行に及んだ時は絞殺により殺害していた。
グラサスの供述によれば、依頼されての殺人は4件で、2011年に殺された52歳男性は、依頼主らに40レアルの借金があった。
2014年10月に殺された49歳男性は、携帯電話を盗んだとされ、同11月に殺された60歳男性は、夫婦との不和が原因。
グラサスら逮捕のきっかけとなった女性の場合も、夫婦と口論した後に殺害の依頼があったという。
グラサスは15歳の頃には窃盗を繰り返し、17歳になると初めて人を殺した。
2007年に窃盗、強盗の罪で2度、2010年には武器の不法所持で1度、2014年2月にも窃盗罪で警察に捕まっていた。
刑務所内で読んだ本で殺害方法を勉強していた。
その後、殺人を繰り返し、被害者は女性38人と男性3人、子供1人を殺害。
標的の大半はバイシャーダ・フルミネンセに住む白人系の女性だった。
犯行はすべて計画的に行われ、容疑者は1週間から1ヶ月間ほど被害者を尾行し、住居や家族構成などを調べてから家に侵入して殺害するという綿密なものであった。
また、身元が割れないよう、覆面や手袋を使用し、防犯カメラの有無も充分に観察し、身元を確認されるような書類は一切持たずに出かけた。
相手と喧嘩になったりした時は相手の爪を切るといった具合で、犯行自体も実に用意周到だった。
初めて殺人を犯した時の事をグラサスは、
「17歳で最初の女性を殺した時、快感を得た。その時の快感が忘れられず、殺人を続け、楽しんでいた」
と発言した。
また警察に対して
「楽しいから殺ってんだ。アドレナリンが発散されてたまらないね。白人の女が大好物だな」
「自分と同じ肌の色の人は狙う気にはならなかった」
などと供述。
また、
「人を殺した直後は精神的に安定しているが、殺していない時はイライラして家の中を歩き回っていた」
「1人殺せばその後は2~3ヶ月、殺した相手の事ばかり考え、落ち着いていられる」
「人を殺すことで安心できる。刑務所から出所すれば同じことをする」
とも話した。
ブラジルでは法律で死刑は認められていない為、グラサスには最高刑の禁錮30年が下されると見られている。
最後に殺害のプロセスについてのグラサスの発言を掲載致します。
「楽しむために殺した。殺したらその場から去るんだ」
∽ 総評 ∽
わずか26歳で43人も殺害したグラサス。
グラサスが珍しいのは、快楽だけではなく、どういう関係かわからない同居夫婦の依頼で殺害しているところだ。
通常、シリアルキラー達は自分の欲求を満たす為だけに殺人を繰り返す為、そういったことはしない。
依頼されて殺す方も殺す方だが、依頼する方もする方である。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 43人
《犯行期間:2005年~2014年》
コメント
コメント一覧 (2)
所詮、殺し屋ですからね。
いくら怨恨や快楽ではないといってもお金で殺せるのは普通じゃないですよ。