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ジョー・ボール (アメリカ)
【1896~1938】



1896年1月7日、アメリカ・テキサス州ベア郡エレメンドルフ出身。


ボールは第一次世界大戦において、ヨーロッパ戦線で最前線に従軍した。


その後、禁酒令に乗じて、密造酒の違法販売に関わるようになった。


禁酒令が失効した後、故郷のエルメンドルフの街で「ソーシャブル・イン」という名の酒場を開いた。

店は古くて手入れしてない為に汚く、ボール自身も態度が大きく常に泥酔状態で接客していた。

しかし、店はなぜか毎晩客が切れないほど盛況していた。


その理由は2つあり、1つは店のウェイトレスが美しかったこと。

このウェイトレスは頻繁に変わっていたが、歴代のウェイトレス全員美人で可愛かった。


もう1つが、ボールが店の外、敷地内に池を作り、そこに5頭のワニを飼っていたことだった。

ボールは店の客が盛り上がってくると、おもむろに客をワニの池に誘導した。

そこで、ボールはバケツ一杯の生肉の塊をワニに与えた。

腹を空かしたワニが肉を奪う様を見て、客は酒を飲みながら興奮するのだった。


時にはボールは生きた犬や猫を池に入れることもあったが、見物客には大いにうけた。

この見世物のおかげで店に客が途絶えることはなく、地元の保安官も見に来るほどであった。


ある時、近隣の住人が腐肉の悪臭について苦情を申し立てた時、ボールは銃を持ち出してこの住人を脅し、

「これはワニどもの餌で、必要なんだ」

と説明した。


暫くして、エレメンドルフ近辺に住む女性たちの失踪が報じられるようになった。

失踪したとされる女性たちの中には、ボールの店で働いていたウエイトレスたちや、ボールのかつてのガールフレンド達、元の妻だった女性のうち2名までもが含まれていた (ボールはこの時点では何度か結婚して離婚していた) 。


特にボールの店に働くウェイトレスは、長続きせず、頻繁に変わっていた。

すぐ辞める事に客がボールに聞くと、

「どいつもこいつも根性がない」

と嘆いていた。


しかし、姿を見せなくなったウェイトレスの1人、ヘイゼル・ブラウンに失踪届けが出されたことから、警察の捜査がボールの店におよぶ事になる。

「ボールが女の手足をワニの池に投げ込んでいるのを見た」

という噂が流れ、1938年9月23日、店の常連でもあるベア郡の保安官2名が店を尋ねた時、ボールは顔色を変え、レジスターの下に隠してある銃を取り出すと、自分の心臓を撃ち抜き自殺する (ただし、幾つかの文献では頭に撃ったとある) 。


ボールの店の従業員で、雑役夫として雇われていたクリフォード・ホイーラーという男性が、
「ボールがウェイトレスを次々とレイプしては殺し、死体をバラバラに解体してワニの餌にしていた」
と証言する。


ホイーラー自身も、ボールが殺した女性2名の死体遺棄を幇助した容疑をかけられた。

ホイーラーは捜査官に、ボールは少なくともこのこの女性2名以外に、少なくとも20名の女性を殺害した上、アリゲーターの餌にしたことを供述した。

しかし、実際にはワニが女性たち誰か1人でも食べたという確たる証拠は得られなかった。


余談であるが5頭のワニは、サンアントニオのテキサス動物園に引き取られた。



∽ 総評 ∽

別名『アリゲーター・マン』、『エレメンドルフの屠殺者』、『南テキサスの青ひげ』等と呼ばれたボールは、長い間、その存在が疑問視されていた。

理由として、ボールの犯罪を確認できる文献は、古い時代ということもあり、事件当時から非常に少なかったからだ。


2002年になって、新聞編集者のマイケル・ホールという人物が、この事件の詳細を調査して、テキサス・マンスリー誌に掲載したことにより、世間に知れることになった。

ボールが初めからワニを飼って死体を食べさせようと考えていたかはわからないが、普通、ワニを飼おうとはあまり考えないので、初めからそのつもりだったのかもしれない。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★★☆
・残虐度 ★★★★★★★★☆☆
・異常性 ★★★★★★★★★☆
・特異性 ★★★★★★★★★☆
・殺人数 最低20人以上

《犯行期間:?~1938年9月23日》