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ジョン・クラッチリー (アメリカ)
【1946 ~ 2002】



ジョン・ブレナン・クラッチリーは、1946年10月1日に生まれた。

裕福で教養のある家柄に生まれたのだが、両親は歪んだ愛情をもってジョンを育てた。

クラッチリーの両親はどうやら女の子の誕生を望んでいたらしく、クラッチリーは女の子用の服を着せられ、女の子として育てられた。


クラッチリーが思春期の頃には、それが原因で神経症になりカウンセリングも受けている。

カウンセリングの成果はあらわれず、クラッチリーは性的サディストのバイセクシャルに成長する。

稀にクラッチリーの両親のように、生まれてきた子供とは別姓を望み、男の子を女の子ように、女の子を男の子のように育てようとする親もいるが、だいたいが途中で止めるものである。

クラッチリーの両親はそれほど徹底した女の子教育を施したのだろう。

頭が良く優秀だったクラッチリーは、コンピュータープログラマーとなり、NASAの下請け会社に勤務する。

その後、結婚もし子供も生まれるが、クラッチリーはあまりあまる性欲をもてあまし、SMクラブや乱交パーティーに夜な夜な通っては性欲を満たしていた。

しかし、その程度ではクラッチリーの異常なまでの性欲は満たされることはなかった。

クラッチリーのように、シリアルキラーには異常な性欲を持っている者も多く、大概がその性欲を満たす為、強姦殺人に走る。

クラッチリーは妻と子供が揃って泊まりがけで外出すると、その間に自宅地下室に拷問部屋を作った。

そして、ヒッチハイクしている女性を見つけると、親切に車に乗せるが、自分の家に連れ込み、首を絞めて失神させた。

その後、全裸にして縛り上げた。

女性が目を覚ますまでに、ビデオとライトをセッティングし、恐怖に怯える女性を散々レイプした。

更にクラッチリーは注射器を取り出し、女性の血を抜きそれを飲んで

「俺は吸血鬼だ」

と言った。


翌日も女性をレイプし、採血した血を飲んだ。

こうしてレイプと採血を繰り返し、女性は次第に衰弱していき死亡する。

そんな具合に、妻達の留守を狙っては女を家に連れ込み吸血鬼プレイに勤しんだ。

クラッチリーは被害者達からアクセサリーやクレジットカードを「戦利品」として取っておいた。

更に、パソコンには被害者達の名前や電話番号、女性との身体の評価などをデータとして保存していた。


1985年、クラッチリーはまたいつものようにヒッチハイクをしていた19歳の女性を監禁する。

レイプと吸血を繰り返していたが、彼女は隙を見てバスルームの窓から逃げ出した。

道路を裸で這っているところを、助けられた彼女の体からは45%もの血液が失われていた。

45%も血液を抜かれていたならば、逃げるのもさぞ大変であったろう。

彼女の証言でクラッチリーの家に捜査の手が及ぶが、当初は性的暴行事件という認識しかなかった為、警察の対処は適切でなく、戦利品やデータ、そしてビデオなど、多くの証拠が初回の捜査の時点で押収されることはなかった。

次の捜査の前にジョンはそれらの証拠をすべて処分してしまった。

よって、数多くの強姦殺人事件が発覚するも、
それをジョンの犯行だと証明するだけの証拠が失われてしまっていた。

裁判の結果、クラッチリーは25年から無期の懲役が下った。


2002年3月30日、クラッチリーは刑務所で死去した。

同年4月2日にクラッチリーは頭にビニール袋を被った状態で窒息で死亡したと公表された。

享年55歳。



∽ 総評 ∽

警察が証拠の品を押収しなかった為、結局、クラッチリーにより犠牲になった人数はわからない。

クラッチリーは女性を監禁し、何日もかけて血を抜きレイプを繰り返した。

血を抜かれた女性は日に日に弱っていき、そして死亡する。

一瞬で殺されるわけではなく、じわじわと死に至らしめる殺し方は、残酷というほかない。

また、クラッチリーは「戦利品」としてアクセサリー等を奪い、身体の相性に点数をつけてデータ化するなど、鬼畜ぶりを発揮した。

シリアルキラーにはクラッチリーのように独自の「戦利品」を所持する人物は多いが、身体の相性に点数をつける人物はそうはいない。

何故なら、点数をつけても殺してしまうので意味がないからである。

クラッチリーはもともと成績優秀で、プログラマーという仕事柄、数字やデータというものにこだわりがあったのかもしれない。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★☆☆☆☆
・残虐度 ★★★★★★★★☆☆
・異常性 ★★★★★★★★☆☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 1人以上
(正式な人数は不明)
《犯行期間:1985年?》