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ジェームズ・ホームズ (アメリカ)
【1988~ 】



ジェームズ・イーガン・ホームズはカリフォルニア州南部の都市サンディエゴで生まれ育った。


高校時代は学業優秀で、同市のウェストビュー高校を特待生で卒業したが、卒業式には参加しなかった。

当時から、どうやら周囲とうまく馴染めない孤独な性格だったらしい。

人付き合いは得意ではなく、ごくごくいる平凡なタイプで、政治的な話題を口にすることもなかった。

高校時代の同級生はホームズについて、
「からかっても、ただ笑っているだけで何もしないようなやつだった」
と語っている。


高校卒業後、ホームズはカリフォルニア州リバーサイド大学で神経科学を専攻し、2010年に同学部の学士号を取得。

そのまま学業に専念するべく、コロラド大学大学院の博士課程へと進んだ。


事件があったコロラド州オーロラ市には2011年の秋に移り住んでいる。


順調に科学者への道を辿っているように思われたが、2012年6月に入り、ホームズは突然、大学を自主退学する手続きを始めた。

その理由は明らかではないが、すでにこの頃からホームズは、大量殺人の計画が立てていたと思われる。

そしてついにホームズは凶行に出る。


2012年7月20日、コロラド州オーロラにあるショッピングモール内の映画館において、新作映画『バットマン』のプレミア上映会が放映されていた。

ホームズは当初、館内の座席に座っていたが、後部の非常口から一旦退出。

ガスマスクをつけ、防弾チョッキとヘルメットを着用し、黒の戦闘用の手袋をはめ、拳銃2丁にライフル1丁、ショットガン1丁で武装した上で、開けたままにしておいたドアから再び館内に戻った。

上映中だった館内の前方に立ち、催涙ガスを2本投げつけた。

そして、

「俺はジョーカーだ!」

と叫び、ガスが立ちこめる中、映画内の銃撃シーンに併せて持っていた銃で逃げ惑う観客に対して10~20発の銃乱射を行った。

また、現場にいた生存者は爆発音もあったと後に発言している。

持っていた武器はいずれも合法的に入手したもので、違法で手に入れたものではなかった。

ホームズは一通り銃撃した後、映画館裏の駐車場に停めていた車に戻り、その時に逮捕された。

ホームズが警察に対して自宅アパート3階に爆発物があると供述した為、室内の捜索を実施した結果、爆発物が発見された為、近隣住民を避難させた上で遠隔操作で処理を行った。

発見された爆発物は化学物質などが含まれており、解体作業に数日を要すると思われるほど非常に精巧なものであった。

当初、地元警察は犠牲者は12名、負傷者59名と発表したが、後に58名と発表した。

また取り調べの際に容疑者が自らを『ジョーカー (バットマンにおける代表的な悪役の名前) 』と名乗ったことを明らかにした。

最終的には死者12人、負傷者58人も出す大惨事となった。


ホームズは同年7月23日、コロラド州アラパホ郡地方裁判所に初出廷した。

コロラド州検察局は、ホームズに死刑を求刑した。

被害者のうち21人は、コロラド大学附属病院に運ばれ、9人が重体と診断された。

また負傷者の中には生後3~4ヶ月の乳児も含まれていた。

また全体でも11人が危険な状態となった。

こういう事件が起こると、テロ組織などとの関連を疑われるが、テロとは関係なく、ホームズによる完全な単独の犯行であった。


2015年8月8日、ホームズは終身刑が言い渡された。

余談であるが、犠牲者の1人であるスポーツレポーターのジェシカ・ガーウィ (当時24歳) は、6月に起きたカナダ・トロントの銃乱射事件にも遭遇しており、その時は辛くも難を逃れていた。

しかしその1ヵ月後、友人と映画鑑賞のために訪れたオーロラの映画館で本件に巻き込まれ、犠牲となった。

わずか2ヶ月間の間に2度も銃乱射事件に遭遇するとは、運が悪いという他ない。



∽ 総評 ∽

ホームズは内向的でおとなしい性格であったが、本件のような突発的な事件を起こす場合にはこのような人物は多い。

こういった人物の怖い所は、いつどこで事件を起こすか予想ができないことである。

本人のスイッチの入り所はもちろん本人しかわからず、また、軽犯罪を繰り返す異常者でもないので、取り締まりたくとも取り締まることができない (ホームズの過去の犯歴は2011年10月の交通違反のみ) 。

ホームズは銃乱射以外に、自宅に爆弾を仕掛けたが、これは以前掲載したキップランド・キンケルと同じで、銃乱射と爆弾を同時に仕掛ける人物は意外に多い。

ただホームズの場合、その動機がいまいちわからない。

キンケルのような親からの圧力ではないし、退屈からきた凶行でもない。

本人はまだ健在なので、いずれその理由を述べる日も来るかもしれない。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
・特異性 ★★★★☆☆☆☆☆☆
・殺人数 12人
(負傷者58人)
《犯行期間:2012年7月20日》